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奈良県立橿原考古学研究所は、公的な埋蔵文化財研究機関としては日本最古の考古学研究所である。橿原考古学研究所附属博物館は1938年以降の発掘調査の出土資料を中心に展示を行っている。常設展「大和考古学」は、先史時代から古墳時代を経て室町時代までの歴史をわかりやすく紹介している。だが、やはり古墳時代の出土物が中心を占めている。入り口には大きな石造物などが目立つ。これは飛鳥京跡苑地から出土した石像の流水施設。高さ165cm、重さ2.5t、頭部には径9cmの穴が貫通している。
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こちらの大型円筒埴輪は、桜井市メスリ山古墳出土品のレプリカである。メスリ山古墳からは、106本の埴輪が出土し、そのうち8本が巨大埴輪である。このような器台型埴輪は、高さ2.4m、径1.3mで、日本最大である。
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氷河期には海面が今より100m以上も低くなり、大陸と陸続きでマンモスやナウマンゾウなどの大型動物が日本列島にやってきた。奈良県河合町からもシガゾウの牙(門歯)の化石が発見されている。シガゾウはマンモスの仲間で今から150万年から40万年位前に生息していたと考えられている。
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約3万4千年前の後期旧石器時代のスクレイパーなどの石器が奈良県三郷町の峯ノ阪遺跡下層から見つかっている。旧石器時代には「瀬戸内技法」という特殊な技術で世界に例を見ない「国府型」と呼ばれるナイフ形石器が作られた。その「瀬戸内技法」の終末期といわれる約1万4千年前のナイフ形石器が同遺跡上層から出土している。近くの勢野東遺跡からは約1万6千年前の大型石槍が大量に出土している。
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約2万年前の日本列島では、ナイフ形石器の様式が地域により違っていたという。国府(こう)型ナイフ形石器は近畿地方西部から中国・四国地方、茂呂型は近畿東部から東北までの太平洋側、杉久保型は北陸から東北までの日本海側と産地が区分けされている。
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「瀬戸内技法」とは、後期旧石器時代の剥片製作技術の一つで、平たい表面をした石核から翼のように横に長い剥片を連続的に剥離する技法である。石刃技法と対照となる技法である。
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製作工程は、石材素材の表面の平たい剥片を選ぶことを第1工程とし、横に長い剥片を剥離することを第2工程、国府型ナイフ形石器を製作することを第3工程と区分している。左手には、河合町馬見ニノ谷遺跡から見つかった、ナイフ形石器終末期の石器が展示されている。