こちらのオレンジ色の花は、キバナコスモス(Cosmos sulphureus)という園芸品種。原産地はメキシコで、標高1600m以下の地域に自生する。18世紀末にスペイン・マドリードの植物園に送られ、ヨーロッパに渡来した。日本には大正時代の初めに輸入された。高さは30-100cm。花期は6月から11月。園芸品種の多くは八重咲きであり、花色はオレンジ色、黄色、赤色がある。
こちらの花は、一般にホトトギスの名で出回っている園芸品種「松風」であろう。タイワンホトトギスとホトトギスとの交配種とされる。花にアズキ色の斑点が多数入る。基本種のホトトギス(杜鵑草、Tricyrtis hirta)は、日本固有種の多年草で、北海道南西部、本州の関東以西、福井県以南、四国、九州に分布する。花被片の紫色の斑点の大小、多少は個体差が大きい。
こちらの花は、セネシオルビーネックレス(Crassothonna capensis)というキク科クラスオトンナ属のつる性多肉植物。南アフリカ原産の非耐寒性多年草。日本では「紫月」という園芸名で流通している。寒さにあたったり乾燥したりすると、緑の葉が紫色になって、黄色い花とのコントラストが美しくなる。近縁種にグリーンネックレス(セネシオ・ロウレイアヌス)やドルフィンネックレス(セネシオ・ペレグリヌス)がある。
園芸名で「エンジェルストランペット」と呼ばれているこの花は、キダチチョウセンアサガオ(Brugmansia)属の低木で、代表的な種は、キダチチョウセンアサガオ(ブルグマンシア・スアウォレンス、B. suaveolens)である。原産地は南アメリカだが、欧米で園芸品種が千種以上作られ、花色は黄色、白色、橙色、ピンク色などがある。花冠も2重、3重以上もある。葉や果実などに有毒なアルカロイドを含む。
こちらの花は、一般にゼラニウムという名で流通している、フウロソウ科ペラルゴニウム属(Pelargonium)の半耐寒性多年草。和名は天竺葵で、英名はGeranium、Pelargoniumという。原産地は南アフリカで、多くの園芸品種が流通している。一季咲きや四季咲きもあり、花色も赤、ピンク、白など多く、八重咲きもある。
この青い花はクレマチス・アラベラ(Clematis ‘Arabella’)というイギリスで作出されたクレマチスの園芸品種である。多花性で四季咲き性が強く、切り戻しで秋まで数回楽しめる。クレマチスとはセンニンソウ属のことだが、日本ではセンニンソウ属の蔓性多年草のうち花が大きく鑑賞価値が高い品種を総称してクレマチスと呼ぶ。江戸時代末期、シーボルトにより日本のカザグルマ、中国のテッセンがヨーロッパに紹介され、多くの園芸品種が作出された。今では2千種以上という。一重咲き、八重咲き、万重咲き、チューリップ咲き、釣鐘型など多くのバリエーションがある。茎や葉の汁で皮膚炎になることがあるので注意すること。
こちらの紫色の花は、キツネノマゴ科ルイラソウ属のヤナギバルイラソウ(Ruellia simplex)という多年草〜低木。原産地はメキシコ〜南米で、園芸品種には桃花や白花、矮性のものがある。観賞用として導入されたが繁殖力が強く、沖縄、九州、四国の各地に帰化し、雑草化して、環境省の「我が国の生態系等に被害を及ぼす恐れのある外来種リスト」に挙げられている。
この紫色の美しい花は、一般にデュランタという名で流通しているデュランタ属の植物で、デュランタ・レペンス(Duranta repens)あるいはエレクタ(D. erecta)という中南米原産の低木である。和名はハリマツリ、タイワンレンギョウ。鮮やかな紫色の花びらに白い縁取りが入る、デュランタ‘タカラヅカ’という園芸品種が人気である。
こちらの紫紅色の可憐な花は、ミヤギノハギ(Lespedeza thunbergii)という落葉低木。日本特産で、本州の東北地方、北陸、中国地方に分布する。花期は6〜9月。葉の脇から総状花序を出し、蝶形の花を多数つける。各地で観賞用にまた家畜の飼料としても用いられてきた。
こちらの鮮やかなオレンジ色の花は、一般にマリーゴールドと呼ばれる、キク科コウオウソウ属(Tagetes)の園芸植物である。原産地はメキシコで、一年草あるいは多年草である。日本には江戸時代、寛永年間に渡来した。学名のタゲテスは、エトルリア人に占術を伝授した神話の人物ターゲス(Tages)に由来する。メキシコでは死者の日の祝祭を彩る花として大量に栽培される。
この青い花は、一般にブルーサルビア(Salvia farinacea)と呼ばれるシソ科アキギリ属の多年草である。アメリカからメキシコの原産で、日本には昭和初期に渡来した。別名では学名のサルビア・ファリナケアあるいはケショウ(化粧)サルビアと呼ばれる。ファリナケアとは、「白色の粉を帯びた」の意で、若茎や蕾は白粉を帯びたようになる。5〜10月頃、茎上部の腋から輪散花序を出し青紫色の唇形の小花を多数つける。
こちらの鮮やかなピンクの花は、シレネ・ピンクパンサー(Silene caroliana)というナデシコ科シレネ属の園芸品種。原産地の北アメリカでは多年草だが、暑さには弱く日本では夏前までの一年草として扱われる。花期は春から初夏までとされるが、この花のように秋まで咲き残っているのをよく見かける。白花種はホワイトパンサーという。
こちらの花はよく見かけるキク科のツワブキ(Farfugium japonicum)という常緑多年草。本州の太平洋側では福島県以南、日本海側では石川県以西、四国、九州、南西諸島に分布し、国外では朝鮮半島、中国東南部および台湾に分布する。主に海岸沿いの岩の上や林の中の日陰に生える。黄色の花が美しく観賞用に日本庭園などにも植えられる。昔から民間薬や食用野菜として知られ、若い葉が食べられる。花期は秋から初冬(10-1月頃)。このツワブキは、葉に黄色の斑が入る「青軸天星」という園芸品種と思われる。
この花はケシ科コマクサ属のアメリカコマクサ(Dicentra formosa)という多年草。北アメリカ西部を原産地とするが、ヨーロッパやオーストラリアにも導入され帰化している。ハート型の花とシダのような葉が特徴で、コマクサに似ている園芸品種として流通している。花期は春から初夏が基本で、秋にも咲き出すことが多い。葉や花を含め全草とも食べると猛毒の植物なので注意が必要である。