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Channel: hantubojinusi’s diary
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10月に見かけた花

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シオン
この薄紫色の花は、シオン属のシオン(Aster tataricus)という多年草。別名はオニノシコグサ(鬼の醜草)、十五夜草、思い草。原産地は中国北部、朝鮮半島、シベリアで、古くは薬用として中国・朝鮮から日本に伝えられ、平安時代には観賞用としても栽培されてきたという。日本では中国地方と九州の山間部の湿った草原に自生する。草丈は2mにもなり、開花期は夏から秋。花は周囲に花弁のような薄紫色の舌状花が一重に並び、中央は黄色の筒状花を咲かせる。根及び根茎にはサポニンなどを含み、民間療法で痰切りや咳止めに利用されるが、乱用には注意が必要である。

ヤノネボンテンカ
こちらのフヨウに似た花は、ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花、Pavonia hastata)という南アメリカ原産の帰化植物。別名タカサゴフヨウともいう。和名の由来は、葉がやじりのような形で、日本には珍しいので梵天(インド)からきたのだろうという意味。花は一日花で朝開き夕方閉じる。

コエビソウ
こちらの風変わりな花は、メキシコ原産のキツネノマゴ科のコエビソウ(Justicia brandegeeana)という常緑の多年草。朱色の苞が重なったユニークな形がエビのように見えるのが名前の由来である。苞は朱色のほかに黄色があり、苞の間から出る花は白やピンク、赤色などがある。熱帯植物だが耐寒性もかなりあり、関東南部では戸外でもよく育ち、ほぼ一年中咲き続ける。

ペンタス
こちらの鮮やかな星型の花を咲かせているのは、アカネ科クササンタンカ属のペンタスPentas lanceolata)という低木。ペンタスの語源は、古代ギリシア語で「5」を意味する「πέντε」で、ラテン文字だと「pente」となり、5つの花弁に由来する。原産地は熱帯の東アフリカからイエメンで、暑さに強いが耐寒性は低い常緑植物。春5月から秋10月まで長期間、星型の花を3040輪咲かす。花色は白、赤、ピンク、紫の4種。

キンモクセイ
こちらの小さな花は、モクセイ科モクセイ属のキンモクセイ金木犀Osmanthus fragrans var. aurantiacus)というモクセイ(ギンモクセイ)の変種。和名の由来は、樹皮が動物のサイ(犀)の足に似ることから中国で木犀と名付けられ、白花のギンモクセイに対し、キンモクセイの花はオレンジ色や赤色が見立てという。中国原産で、日本には江戸時代(17世紀頃)に雄株だけが渡来し、実を結ばないため挿し木で北海道と沖縄以外の日本中に増やされた。花は甘い香りを放ち、ジンチョウゲクチナシと合わせ、日本の三大芳香木の一つとされる。花は薬用にもなり、滋養保健、食用増進に乾燥花を煮出して花茶とする。

トキワサンザシ(ピラカンサ)
こちらの赤い実をたくさんつけているのは、トキワサンザシ属のトキワサンザシ(Pyracantha coccinea)という常緑低木。園芸上の通称では、属名のピラカンサと呼ばれる。原産地は西アジアで、明治中期に渡来した。初夏に白い小さな5弁花を多数咲かせ、10月頃鮮紅色の実を多数熟す。花も実も美しいので、庭木などに広く植栽される。

カントウヨメナ
こちらのキク科の花は、シオン属のカントウヨメナAster yomena var. dentatus)という多年草で、道端でよく見かける野菊の一種である。東海地方以西に自生するヨメナとよく似るが、こちらは関東地方以北に自生する。箱根に近い御殿場市郊外で見かけた。近似種のユウガギクとヨメナとの雑種起源とされる。万葉集に詠われるヨメナは食用されるが、カントウヨメナは食用にはしないという。

イワシャジン
こちらの釣鐘型の花は、キキョウ科ツリガネニンジン属のイワシャジン(Adenophora takedae)という多年草中部地方から関東地方南部、東海地方の山地の湿った岩の間などに生える。葉は細長く垂れ下がり、秋に細長い花柄の先に8〜10個ほどの花を総状花序に咲かせる。花冠は釣鐘型で紫色、萼片は線形。

リンドウとセンブリ
こちらの青い花は、秋の山を代表するリンドウ科のリンドウ(Gentiana scabra var. buergeri)という多年草。和名は中国の竜胆に由来し、中国では熊胆(くまのい)より苦いという意味で竜胆と名付けられた。全草が苦く、特に根は大変苦くて薬用になる。別名、イヤミグサ(胃病み草)、ケロリグサなど。本州、四国、九州に分布する。秋に鐘型で青紫色の花を咲かせる。竜胆の上に見えるのは、リンドウ科センブリ属のセンブリ(Swertia japonica)という二年草。和名の由来は、全草が非常に苦く、煎じて「千回振り出してもまだ苦い」から「千度振り出し」が略されたとのこと。苦味は非常に強く、最も苦い生薬といわれる。別名は、トウヤク(当薬)、イシャダオシ(医者倒し)など。中国、朝鮮半島、日本の関東地方以西にかけて分布する。秋に5弁の白い花を咲かせるが、まだ開花前の蕾の状態だった。

エッチュウミセバヤ
富士宮まかいの牧場で見かけた、このきれいな花はベンケイソウ科のミセバヤ(Hylotelephium sieboldii)という多肉性の宿根草の変種とされる、エッチュウミセバヤ(H.sieboldii var. ettyuense)という園芸品種。「見せたい」という古語が語源のミセバヤは古典園芸植物の一つで、玉緒(たまのを)とも呼ばれ、かなり古くから全国に広まった。エッチュウミセバヤは1973年に新種として発表され、半球型の花序が美しい園芸品種が出回っている。

ムラサキシノブ
こちらは河口湖の大石公園で見かけたムラサキシノブ(Callicarpa japonica)。白実のシロシキブは9月に見かけていたが、やはり紫色のムラサキシノブは鮮やかで美しい。

シュウメイギク
こちらの白い花は、キンポウゲ科シュウメイギクAnemone hupehensis)。中国からかなり古い時代に渡来した帰化植物である。キクの仲間ではなくアネモネの仲間である。花色は赤紫色が基本だが、弁数が少ない品種や白色の品種が多く栽培されている。

ヒャクニチソウ
こちらはよく見かけるヒャクニチソウZinnia elegans)の各色勢揃い。和名は百日草で、開花期間が長いことによる。丈夫で色褪せしないので花壇用や切り花用とされる。原産地はメキシコで、アステカ族が16世紀以前から栽培していた。日本には1862年(文久2年)以前に渡来した。八重咲など品種改良も盛んに行われ、花色も赤、オレンジ、黄色、白、藤色、紫などがある。

コキア
大石公園では、河口湖の手前にコキアが赤く色づき、背景の富士山とのコントラストを楽しむことができるのだが、あいにくの曇り空で富士山の姿は見えなかった。コキア(Basia scoparia)は、ヒユ科ホウキギ属の常緑低木で、以前はコキア属だったので今でもコキアと呼ばれている。観賞用に栽培されているのは主に変種のトリコフィラ(ハナホウキギ)で、丸みのある草姿で秋には美しく紅葉する。ホウキギの和名の如く、刈り取って陰干しして草箒を作るのに利用される。

我が家のヤモリ
この7月中旬から10月中旬までほぼ毎晩、我が家の高窓にヤモリが出没した。10数年前、一軒家だった頃の庭にあったキウイの木にはよく登っていたが、その後は見かけなかった。10数年大きな水槽で飼っていたイモリは数年前に死んでしまったので、ヤモリの姿を曇りガラス越しでも見ることができて嬉しい。ヤモリは大きいものから小さいものまで1日に1尾か2尾現れるが、明かりに集まる虫を追いかけて食べる姿が微笑ましい。

ニホンヤモリ
本州に生息するヤモリは、ニホンヤモリGekko japonicus)だけで、江戸時代にシーボルトが新種として報告したため、種小名にjaponicusが付けられているが、ユーラシア大陸からの外来種と考えられている。本州以南の日本の他、中国の東部、朝鮮半島にも分布する。主に民家やその周辺に生息し、都市部では多く、郊外では少なく、原生林には生息しない。寿命は5〜10年という。しかし、多くの都道府県で準絶滅危惧種に指定されている。
 



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